2024-11

夕木春央

サーカスから来た執達吏 /夕木 春央

「方舟」が良かったので他のも読んでみたくて手に取った。大正の大地震で一家全滅した絹川子爵の財宝を巡る華族間の奇妙で熾烈な争い。もうこの時点で面白いの確定。そしてなんと言ってもサーカスから逃げてきた少女ユリ子の奔放さ、頭のキレの良さに舌をまく...
榛名丼

レプリカだって、恋をする。 /榛名丼

ほんタメを見て、超絶久しぶりにザ・王道恋愛系ラノベに手を出してしまった。誰だって一度や二度は「自分の替わりに学校行ってくんないかな」と夢想したことがあるだろう、まさにその世界が、すごく透明感のある文章で描かれている。レプリカなのに、恋をして...
阿津川辰海

紅蓮館の殺人 /阿津川 辰海

QuizKnockの須貝さんが推してて面白そうだと思ったので読んでみた。うーん、これがゲーム本や脱出ゲームの筋書きとかなら面白いかもしれないけど小説としては評価できない。初っ端から突っ込みどころ満載で、読むの止めようかと思ったけどなんとか完...
SCRAP

穴あきパズルアドベンチャー 魔王塔からの脱出 /SCRAP

表紙カバーにも本文ページにも穴が開いていて、それをうまく使った謎解きをする本。(穴、手作業で開けてるらしい…たいへんだね…。)問題によりかなり難易度にバラつきがあった。拍子抜けする問題もあれば、ゲシュタルト崩壊しそうになった問題も(笑)。第...
須藤古都離

ゴリラ裁判の日 /須藤 古都離

第64回メフィスト賞満場一致は伊達じゃない。誰より賢いゴリラ、ローズはある日、「人間の子どもを助けるため」という理由で夫のゴリラを射殺される。人間と他の動物の違いとは?という深く重い問いがテーマにも関わらず、とても読みやすく一気に読めた。法...
三浦しをん

好きになってしまいました。 /三浦 しをん

三浦さんのこの手の特にテーマがはっきり設定されてない(厳密には違います)エッセイ、久しぶりではないでしょうか。もう読む前からニヤニヤ(←気持ち悪い)。相変わらずのオタクっぷり、濃ゆい友人たち及びご家族を堪能。しかし前ほど笑えないのは何でだろ...
東畑開人

聞く技術 聞いてもらう技術  /東畑 開人

「ただ話を聞いてもらう」ことって本当に効果てきめんで、そして話を聞いてもらうためには「自分が聞く」ことから始めよう、その循環がうまくいくと社会全体が良くなるよ、という趣旨の本。話を聞いてあげる第三者をケアしてあげる第四者の存在も重要である、...
雨穴

変な絵 /雨穴

絵×ホラー×ミステリという斬新な発想。ホラー系は苦手なんやけど、流行りに乗っかって、つい…。結論:結局、一番怖いのは人間よな…。容疑者のアリバイのタイムテーブルとか現場の地図とか、普段ミステリを読んでると頭がごちゃごちゃしがちな所を、親切に...
市川憂人

ジェリーフィッシュは凍らない /市川 憂人

ほんタメを見て。1983年U国、気嚢式浮遊艇のステルス機能試験を極秘裏に進めていたファイファー教授らの乗った機体が雪山に不時着、そこで起こる連続殺人。女性1人と男5人、三部屋(二段ベッド有)にどう割り振ったの?って思ったり、割と早い段階で何...
綿矢りさ

嫌いなら呼ぶなよ /綿矢りさ

久しぶり過ぎてほぼほぼ初めましてな綿矢りささん、え、面白いやん!深夜のテンションじゃないと読めないけど。主人公が(なんなら脇キャラも)全員ヤバい奴で、現実にいたら全力で距離を置く。でもアクの強さがクセになって、遠巻きに観察したい。めっちゃ感...