芦沢央

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雨利終活写真館 /芦沢 央

作者得意のイヤミスを期待して読んだらなんかいい話やん!!!(涙)。ミステリーだと思って読み始めるとかなり簡単に序盤で真相が分かってしまうので、終活で遺影を撮るために写真館を訪れる人々の心温まる物語…だと思って読むと良いかと。ハナの言動に物申...
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貘の耳たぶ /芦沢 央

産んだばかりの我が子を他の子と取り替えてしまう繭子。そのことを言い出せないままズルズルと月日は経過してしまい…。結末がどうなるのか、息を詰めて読んでしまった。とにかく前半の繭子の暗すぎる心理描写、母親の異常さ、旦那の微妙に無神経なところ、全...
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魂婚心中 /芦沢 央

SF多めの短編集。うーん、芦沢さんはやっぱりミステリかホラーの方面がお強いんじゃないでしょうか…。色んな挑戦を見守りたい気持ちも勿論ありますが、いつものぐいぐい引っ張り込んでくれる感じが味わえず、残念。お得意のリアリティのあるイヤミス、怖い...
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<ネタバレあり>いつかの人質 /芦沢 央

12年前に誘拐(間違えて連れてきてしまった場合も法律的には誘拐に分類されるんですかね、やっぱり。そして一瞬目を離した母親が非難されるこの世の中。)された愛子は、視力を失う。そして再び、初めて親の介助無しで友だち(だとも思えないけど)と共に訪...
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今だけのあの子 /芦沢 央

イヤミスっぽく始まるけど、温かな気持ちで読み終われる、「理由」に纏わる5つの短編。仲良しグループで1人だけ結婚式に呼ばれなかった理由。亡くなった親友の部屋から帰らない理由。子どもが絵を無くした訳を答えなかった理由。友だちの好きなことに自分を...
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バック・ステージ /芦沢 央

こういう本大好き!1つ1つの短編はそれごとに成り立っていて、でも最終的に全てが伏線。最後は芦沢央にしては珍しく(笑)すっきりカタルシス!行きつ戻りつ、ワクワクしながら読みました。同じ出来事でも人によって全然見え方も考え方も違う、という当たり...
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火のないところに煙は /芦沢 央

ホラーというよりミステリー要素強め? それも、なんともモヤモヤしまくるイヤミス。 お、解決するのか?したよね?と思わせぶりにしておきながら、結局解決しないまま終わるんかいー!! アレとかコレとかはいったいなんだったんだ?と、、、ホントこの作家さん、こういうの上手だなあと思います。 ひたすらモヤモヤしたい、ドMなあなたにおススメです。
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汚れた手をそこで拭かない /芦沢 央

お金は人をおかしくする。 とは昔からよく言われることではあるけども、実はそれはオモテに見えるだけのことかもしれない。 お金がなければ生きていけないけれど、お金のために生きてるわけではない(かもしれないし、そうではないかもしれない)。 その人の心はその人にしか分からないし、端から見ると理解しがたい行動も、その人には必然の行動であることの方が(多分)多い。 短編集でここまでモヤッとした気持ちになれるとむしろ清々しい。
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許されようとは思いません/芦沢 央

個人的には第二話が一番共感(?)しました。いやいや、普通ありえへんやろ!とツッコミをいれたくもなるのですが、主人公の心理描写がすごく緻密で、ついつい感情移入。同じ立場だったら絶対こんなことはしない!…とは言い切れなくさせるのがすごいなあ。 第三話は子育て中の人は読まない方がいいかも…。「自分は絶対虐待なんてしない」、と誰しもが誓って子どもを産むと思うのですが、その「絶対」がどれだけ脆いものか、手に取るように分かる作品です。子育て中のお母さんの心理が分かると思うので、逆に男の人に読んで欲しいです。
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僕の神さま/芦沢 央

第一話ですごーくいい話!感動! で終わらないのがこのほんのすごいとこ。 「神さま」的存在の男の子、の友だち視点で語られているのだけど、 私的には、 神さま的存在 と同級生から言われることに対して、 彼はどう思っているのだろう…、と思って読み進めていました。 ラストあたりでそのあたりも彼の口から語られるのですが、それが全てではないような気もしました。 物語は次作に続く?のかな。期待!