皆真っ当に生きようとして、恥ずかしい思いをしたり、後悔したり、道を間違えたり。
読んだ後「人間だもの。」(みつを)って呟いてしまう。
どの短編も舌にいつまでも苦味が残るような、鍵のない夢を見たような後味の悪さがこの本の持ち味だろうか。
りっちゃんの感情や、バックドラフトさん側から笙子はどういう風に見えるのか、栄美は美衣からのサイン帳をどう受け取ったのか、どうやったら雄大みたいな人間ができあがるのか、理彩の話を聞いてるのか聞いてないのかよく分からない良枝。
主人公じゃない側の人間の視点も見てみたい、と思った。