降田天

さんず /降田 天

「ドラマチックに人が死ぬストーリーって売れるじゃないですか」っていうヨルシカの歌をなんとなく思い出した。自殺幇助業者「さんず」の社長は人が自ら死にゆく様を見物するのが趣味という、社会的には許容されない倒錯した嗜好の持ち主として描かれる。では...
岡田尊司

発達障害「グレーゾーン」 その正しい理解と克服法 /岡田尊司

思ったよりあまり一般には知られていないであろう専門用語が多かった。発達障害について知りたい人はもう少し初心者向けの本を読んでから挑戦したほうがいいかも。この手の本は割と色々読んできたけど、今回も絶望と共に答えは1つ。「専門家の診断を受けて適...
凪良ゆう

わたしの美しい庭 /凪良 ゆう

1つの答えをもらった気がした。私は子どものころから周りがなんとなく理解していることを理解するのが苦手で、でも理解できない、と言うと大人に困った顔をされるので仕方なく分かったようなふりをして、分からないままそのまま年齢だけ重ねてしまった。「自...
道尾秀介

いけない /道尾 秀介

むっず!!「N」と似たような感じではあるけど、こっちの方がだいぶ難易度上がります。帯に「ラスト1ページが暴き出すもうひとつの真相をあなたは見抜けるか?」とありましたが、ラスト1ページを見てすら、えーとつまりどゆこと(~。~;)?ってなって、...
浅倉秋成

六人の嘘つきな大学生 /浅倉 秋成

自分の就活の苦労を思い出してつらーい気持ちになるかも、と敬遠してたけど、気が付いたら一気読みしてました。就活生と企業のバカバカしい嘘の吐き合いをここまで皮肉にリアルに書かれると最早笑うしかない。笑えないけど。内定を得るために他の候補者たちの...
浅倉秋成

九度目の十八歳を迎えた君と /浅倉 秋成

青春の甘酸っぱさと青臭さが満載で、きゅんきゅん及び共感性羞恥で身悶えが止まりませんでしたー!高校の時好きだった同級生が、なぜか「年を取らないまま」の姿でいるのを通勤途中のホームの反対側に見つけてしまい…。どうして彼女は年を取らないのか?どう...
千早茜

ひきなみ /千早 茜

しんどい…ちゃんとレビュー書けるかな。弱ってる時にはおすすめしません。私自身瀬戸内の小さな島に縁があるのですが、田舎の寄合(男と女と子どもにはっきりくっきり分かれて過ごす)の居心地の悪さだとか買い物の中身が近所中に知れ渡るコミュニティの小さ...
高瀬隼子

水たまりで息をする /高瀬 隼子

ある日夫が突然、風呂に入らなくなった。ら、私はどうするだろうか。割と潔癖症寄りなので、熱があっても1日1回はシャワーか風呂に入らないと落ち着かなくて眠れない(幼少期、「風邪だから今日は風呂に入らないように」と無理やり布団で横になっているよう...
彩瀬まる

川のほとりで羽化するぼくら /彩瀬 まる

性別、というものについてここまで深く考えさせられる小説に今まで出会ったことがない。流れゆく川(断絶)とそこに架かる橋(つなぐもの)を行き来する人々を描いた全く独立した4つの短編。どの話も、時代や場所は違えども、そこに書かれているのは、男らし...
辻村深月

ツナグ /辻村 深月

「使者(ツナグ)」に依頼すると、人生で一回だけ死者に会うことができる、というファンタジー設定なのに、まんまと泣かされてしまった。会えたとして、それが前を向いて生きることにつながるのか一生後悔を抱えて生きることになるのか。特に嵐と御園の女の「...