森博嗣 常識にとらわれない100の講義 /森 博嗣 万人にお勧めはしないけど、自分にない視点をたくさん教えてくれる良書。 天才の頭の中はこうなってるんだなあ。理路整然。 確かにそうなんだけどね!それは正論なんだけどね!(苦笑)と思ってしまう私は多分「常識にとらわれて」いるのだろう。 共感できる部分も多々あったけど、やっぱり凡人は凡人なりにもがいて生きていくしかないのだ。 (天才には天才の苦悩があるのだろうけれど、私は凡人なので想像でしかない。) 2024.08.11 森博嗣
辻村深月 かがみの孤城 /辻村 深月 ファンタジーだと知らずに読み始めて、「ナルニアのパクりかよ!」と、放り投げてしまいそうになったけど、とりあえず最後まで読ませてしまう作者の筆力に脱帽。 家にも学校にも居場所のなかった昔の自分を思い出して胸が苦しくなった。 ちゃんとハッピーエンドで終わってくれてホッとしたけれど、現実世界に「お城」はない。 こんなにキチンと向き合ってくれる大人が居たり、たとえ居なくても、少しの希望を灯にして困難に立ち向かえる子どもはどれだけいるのだろう。 この本を読んで希望を抱ける子はまだ幸せだ。 と思う私はつくづくひん曲がってるなあ 2024.08.11 辻村深月
宿野かほる <ネタバレあり>ルビンの壺が割れた /宿野かほる この本は是非、前情報無しで読んでもらいたい。 恋愛小説?ミステリー?と思いながら読み進め、最後はホラー。 女目線だとこれは立派なホラー。 演劇に燃える好青年の像が密やかにほころびていく様の描き方が見事だった。 それにしても、主人公だけでなく、この小説の登場人物、皆少し狂ってないか?も少し自分も他人も大事にしようや…などと偽善的なお説教は無用であろう、この言いようのない昏さ。 (以下蛇足) それにしても、何故、未帆子は返信をする気になったのか謎。 私なら絶対無視する! 幼女殺人犯の元彼からのSNSのDMなんて怖すぎやろ! 2024.08.11 宿野かほる
斜線堂有紀 愛じゃないならこれは何 /斜線堂 有紀 地獄じゃないならこれは何。 「ミニカー…」多分彼なら許してくれる。 「きみの長靴…」妻川がホント無理なんだが(怒) 灰羽にも責任はないとは言い切れないが、男性諸氏の目にはどのようにうつるのか。 「愛について…」鳴花の気持ち、分からんでもないが…ドリカム構成でうまくいってる友達関係って見たことある方、挙手願います。 「健康で…」恋は落ちるもの。趣味が違っても。 「ささやかだけど…」園生よりも新太の視点に興味があるけど、もうお腹いっぱいです。 お前ら、一生やってろー。 こんな「恋愛小説」(?)初めてでした!疲れた!←褒め言葉 2024.08.11 斜線堂有紀
芦沢央 火のないところに煙は /芦沢 央 ホラーというよりミステリー要素強め? それも、なんともモヤモヤしまくるイヤミス。 お、解決するのか?したよね?と思わせぶりにしておきながら、結局解決しないまま終わるんかいー!! アレとかコレとかはいったいなんだったんだ?と、、、ホントこの作家さん、こういうの上手だなあと思います。 ひたすらモヤモヤしたい、ドMなあなたにおススメです。 2024.08.11 芦沢央
宇佐見りん <ネタバレあり>推し、燃ゆ /宇佐見りん がんばっても人と同じようにできない辛さはすごくよくわかる。 なんでできないの?(できるはずでしょ?何さぼってんの?)と、言われても、どうしようもなくて答えに窮するのも。 でも、姉の気持ちもよくわかる。 (なんで私は努力してできるようになるまで許されないのに、妹は許されるの?「お姉ちゃん」の役割を勝手に押しつけないでよ!) 主人公は、最後、散らばった綿棒(骨)を拾い集めて、その後、できないなりに自分を再構築していこう、と決意をしていたけれど、同じことを繰り返すのは目に見えていて、苦しくなった。 2024.08.11 宇佐見りん
森見登美彦 四畳半タイムマシンブルース /森見 登美彦 四畳半神話体系を読んだのがはるか昔のことなので、多分関係あるこの本を楽しめるのか若干不安を覚えつつも読了。 相変わらず阿呆らしい!面白い! 青春の素晴らしさとくだらなさ満載、そんな無駄なことにタイムマシンを使うな!と思いつつ、無駄があるから人間って面白いんよなあ…としみじみしてしまったり。 森見氏の描く頭いい大学生の内面が実はものすごく悶々としてる感じが好きです。 2024.08.11 森見登美彦
芦沢央 汚れた手をそこで拭かない /芦沢 央 お金は人をおかしくする。 とは昔からよく言われることではあるけども、実はそれはオモテに見えるだけのことかもしれない。 お金がなければ生きていけないけれど、お金のために生きてるわけではない(かもしれないし、そうではないかもしれない)。 その人の心はその人にしか分からないし、端から見ると理解しがたい行動も、その人には必然の行動であることの方が(多分)多い。 短編集でここまでモヤッとした気持ちになれるとむしろ清々しい。 2024.08.11 芦沢央
アンソロジー 超短編! 大どんでん返し 某YouTuberさんが紹介していなかったら手に取らなかったであろううすーーい文庫。 作家陣が豪華!というだけでミステリー好きの心をくすぐってくるなあ。 作家陣がすごいだけにうまい。 しかし、この手のショートショートに近いモノは、星新一のほうがやっぱり面白いなあ、と思ってしまった。 個人的には恩田陸さんの「トワイライト」が一番好き。 読み応えはないけど、短時間で軽く読めるものをお探しの方はどうぞ。 2024.08.11 アンソロジー
北山猛邦 私たちが星座を盗んだ理由 /北山 猛邦 1話目の「恋煩い」が一番面白かった。 「妖精の学校」これは沖の鳥島問題に造詣が深い人にしか分からん! オチの意味をGoogle先生に聞いてしまった。 「嘘つき紳士」話の流れとしては嫌いじゃないけど、登場人物の心理描写に深みを感じなかった。 「終の童話」割と好き。 全員が自分の正義、思いを貫こうとするところが切ない。 「私たちが星座を盗んだ理由」主人公の女の子の心理描写は良かったけどミステリーとしてはあんまり…。 満月では星が見えないのは知ってる人多いと思う。 そして星座にまつわる神話が出てくるけど、あまり本筋に関係ない。 2024.08.11 北山猛邦