心に穴ぼこを抱えながらもなお生き続ける5人の物語。
線香花火、海、蛍(のような何か)、また海と線香花火、そして海。
全篇が夏のお話ではないけれど、何故か夏の匂いがする一冊だった。
直木賞ってもっとドラマチックな展開が好みかと思っていたけれど、出版時期と受賞時期的に、コロナで疲弊した皆の心が少しでも救われますように、という意味での大賞なのかな、と思った。
夜に星を放っても、それはささやか過ぎて誰も気付かない。
でもいつか誰かと繋がり、星座を作ることができる。
それは雲に隠れていても、必ずそこにある。
そう信じたい。