〈ネタバレあり〉銀河の図書室 /名取佐和子

名取佐和子

『図書室のはこぶね』の続編のようなのでそちらを先に読むことをおすすめします。
(またやってしまった…。いや、このタイトルからは分からんでしょ。)
でもこの本単体でも大丈夫です。

私立の受験に失敗して県立野亜高校に入学したチカは「イーハトー部」に入部する。

部長の風見先輩のおかげで、諦めていた「充実した高校生活」を手に入れた、はずだったが、突然風見先輩は学校に来なくなる。

彼の残した“ほんとうの幸いは、遠い”という言葉の真意は。

宮沢賢治の良さとか面白さがいまいちよく分からん(←小声)私でも、もう一回読んでみようかなーという気にさせられた。

宮沢賢治作品の引用の仕方がとにかく上手い。

うーん、でも小説としては少し冗長にも感じた。

各登場人物にそれぞれの事情がある、っていうのは分かるんやけど、全部を書こうとしてピントがぼけた感あった。

ラストはうっかり感動してしまったんやけど、読み終えて本を閉じて冷静になると…、いや、ちょっと待て。

風見さんのしたことは「偽」善なのか?

迷子の子どもを警察に連れていくのが?

SNSにアップしたことはともかく、(この子は家族の虐待から逃げてきたのかもしれない…!)とか普通(見た目とかで明らかにそう分からない限り)思いつかないでしょう。

まだ言葉が通じないくらいの年齢だったらそこは警察に連れて行ってあげるくらいしかできないでしょう。

それを「偽善」扱いされるって…、え、ししししんどい。
(一応風見さんのしたことは「偽善」ではなく「善」だ、と作中でチカらによって訂正されます。)

それだけ世の中が多様化してるってことなんやろうけど、うーん、迷子に遭遇したらどうしてあげるのが正解なんですかね。

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