高瀬さんが「恋愛」を書くとこんな風になるんだなー、と興味深く読了。
こんなに賛否ありそうな、というか共感・非共感分かれそうな恋愛小説集ってないのでは。
5つの短編が入っているけれど、正直なところ、(あー分かる、分かる、)ってなったの3編、ちょっとわかんないです…ってなったの2編。
『花束の夜』
不倫相手の退職する先輩から、送別会の花束を押し付けられた水本は夜のまちを彷徨う。
『お返し』
特に仲良くもないはずのユウハは、何故か毎年バレンタインのチョコをくれる。
だめおしみたいな最後のチョコ。
それらをずっと、何故か忘れられない。
「ずっとわたしのことを覚えていてくれるっていう、お返し」
うおおお、なんか逆に怖くない?戦略、ではないってとこが。
『新しい恋愛』
姉の子どもの美寧々とかなり仲の良い知星。
中学生のピッカピカの恋愛観は知星の世代とはだいぶ違う。
美寧々曰わく、「マッチング恋愛は合理的で古い」!
すすすごいな高瀬さん、皆がうっすら感じてでも言わないことをサラッと言うなあ。
うーん、そうだな、マッチングアプリがもっと当たり前になったら、そしてその揺り戻しみたいに恋愛至上主義が流行って…って、延々とループするんじゃないかな、とは思う。
昔はお見合いとか普通だったわけだし。
『あしたの待ち合わせ』
周りに好まれるようにがんばって自分を作り上げてきたかな子にはストーカーが居る。
『いくつも数える』
歳の差婚、或いは歳の差恋愛を考えに考え尽くしてシェイクしたような作品。
50歳でもかっこいい天道課長が結婚することになった。
38歳の津野は最初は心から祝うけれど、相手が24歳だと知り、自分も周りもどよめく。
うーーん、そりゃどよめくわな、というのが正直な感想。
気持ち悪い、と思う花村さんの気持ちも分かるし、ダブスタな自分ってどうなんや、と思うのも分かる。
他人の恋愛にまつわる気持ち悪さ。
でもなー、みんなどうせ若い方が好きなんでしょ?