あいにくあんたのためじゃない/柚木麻子

柚木麻子

短編6編。

『めんや 評論家おことわり』
ラーメン愛好家・佐橋が炎上。
「中華そば のぞみ」に謝罪を申し入れるが、はたして。
あー、実際にこういう迷惑系、居そう…。
ラスト、スッキリ爽快、だけで終わらせない後味、好きです。

『BAKESHOP MIREY’S』
寂れつつある商店街でベイクショップを開きたい、と口では言うが実際には何もしない未怜、それをじれったく思う秀実。
両方の生まれた環境の違いとかそこから来るどうしようもなさがしんどかった。

『トリアージ2020』
Twitterつながりの友だち…ではなくその母親とリアルに会う仲になったが、その正体は。

『パティオ8』
緊急事態宣言で自宅勤務を余儀なくされたサラリーマンから「中庭で子どもを遊ばせるな」と苦情が入る。
途方に暮れたその他の住人はどうするよ。っていうお話。
現実にはこうはうまくいかないだろうなー、とは思うけど、物語としては夢があって勇気づけられる。
思わず「がんばれー!」って心の中で応援。

『商店街マダムショップは何故潰れないのか?』
何故潰れないのか?を柚木さん流に考察するとこうなるのね(笑)、なるへそ。ちょっとホラー風味。

『スター誕生』
TVやYouTubeで人気者の「スター」に必要な素質、それは容姿でも能力でもなく“言葉”である。
ほう、そうなのか。そうなのか…?
そう言われてみればそんな気がしなくもないけど…、その時代の流行とか運がでかい気がする。

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