貘の耳たぶ /芦沢 央

芦沢央

産んだばかりの我が子を他の子と取り替えてしまう繭子。
そのことを言い出せないままズルズルと月日は経過してしまい…。
結末がどうなるのか、息を詰めて読んでしまった。

とにかく前半の繭子の暗すぎる心理描写、母親の異常さ、旦那の微妙に無神経なところ、全てに引きずり込まれそうになってしんどかった。
この物語の凄い所は、人間はみんな、完全な悪人でも完全な善人でもない、そこを描ききっているところだと思う。
郁絵は子どもを預けることに罪悪感を感じているけれど、働くお母さんにも専業主婦にも生きやすい世の中であってほしい。

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