瀧羽麻子 博士の長靴 /瀧羽 麻子 悪い意味で退屈な児童文学ぽくてテンポが悪くて読みづらかった。もう一回読んだら面白いと思えるのかもしれない、スルメ本なのかも。(多分読まないけど。)ある意味ミステリー小説の面もあって、度々前の章に戻って確認したくなる伏線も張られていたり、(で... 2024.08.20 瀧羽麻子
辻村深月 鍵のない夢を見る /辻村 深月 皆真っ当に生きようとして、恥ずかしい思いをしたり、後悔したり、道を間違えたり。読んだ後「人間だもの。」(みつを)って呟いてしまう。どの短編も舌にいつまでも苦味が残るような、鍵のない夢を見たような後味の悪さがこの本の持ち味だろうか。りっちゃん... 2024.08.19 辻村深月
道尾秀介 N /道尾 秀介 寄木細工のように美しい短編集に見える長編。「ん?これはどういうことだ?」って思う点があってもそれが違う話で明らかにされたり、終わったと思った話が違う話でドンデン返されたり、良い人が悪い人だったり悪い人が良い人だったり、まあ頭の中の整理と感情... 2024.08.19 道尾秀介
斜線堂有紀 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから /斜線堂 有紀 「恋に至る病」が良かったので期待してしまった分、勝手にちょっとがっかりしてしまった。愛情とお金というすごく現実的なテーマが重い割にはリアリティに欠ける印象。死んだら金塊になるとはいえ、たった1人しか収容されていないサナトリウムなんてどうやっ... 2024.08.18 斜線堂有紀
青山美智子 猫のお告げは樹の下で /青山 美智子 日々のモヤモヤ、イライラ、苦しい感情を、清風でサーッとお祓いしてもらったような読後感。悩める日本人全員に読んでもらいたい。めったに姿を現さない、不思議な神社猫ミクジがくれるお告げのタラヨウの葉に書かれた言葉は、貰ったその人にしか見えず、でも... 2024.08.18 青山美智子
芦沢央 バック・ステージ /芦沢 央 こういう本大好き!1つ1つの短編はそれごとに成り立っていて、でも最終的に全てが伏線。最後は芦沢央にしては珍しく(笑)すっきりカタルシス!行きつ戻りつ、ワクワクしながら読みました。同じ出来事でも人によって全然見え方も考え方も違う、という当たり... 2024.08.17 芦沢央
一穂ミチ <ネタバレあり>パラソルでパラシュート /一穂 ミチ スモールワールズが良作だったので読む前から期待しすぎたかも…。あと一年で契約を切られてしまう受付嬢、お笑い芸人を目指すコンビetc.「これから先」のための「安定したパラシュート」がない人々がそれを嘆くでもなくただただ生きていく、その強さ(或... 2024.08.17 一穂ミチ
織守きょうや 花束は毒 /織守 きょうや イヤミス&どんでん返し好きは絶対読むべし。誰が「被害者」なのか?はっきりしないまま、絶妙に読者の心をゆらゆらと不穏なリズムで揺らし続け、読後のモヤッと感も最高。木瀬くんの真っ直ぐさが眩しいけど、検察官志望ならもう少し人を疑うことを覚えておく... 2024.08.16 織守きょうや
伊与原新 オオルリ流星群 /伊与原 新 初読み作家さん。あの夏の青春をもう一度、と集まる高校時代の仲間たち。こういう体験をしたことがないからか?なぜかリアリティを感じられなかった…。共感できる人が本当に羨ましい(泣)。キャラクターもぼんやりした感じで、だけどお話自体はとっても良い... 2024.08.15 伊与原新
一穂ミチ <ネタバレあり>スモールワールズ /一穂 ミチ スモールワールズとはなんぞやと思って手に取ったけれど、「確かにこれはスモールワールズだ」と、妙に納得をしてしまった。私たちがネオンテトラの水槽を覗き込むように、神さまが人間の世界を見下ろしたらこんな感じなのかもしれない。ちっぽけで愚かで無力... 2024.08.15 一穂ミチ