佐藤究

テスカトリポカ /佐藤 究

血のにおいがする本。麻薬密売組織の支配する故郷から命がけで逃げ出したルシア、その子どもコシモ。家族を皆殺しにされた組織のトップ、バルミロ。赤くどす黒くどこまでも追ってくる暴力と貧困の連鎖。古代アステカの神話とテスカトリポカの正体。臓器売買と...
末永幸歩

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 /末永 幸歩

学校の美術の授業は、何を目的にしているのだろう?「自由に描きなさい」と言われるまま、「自由に」描いても、評価されるのは偶々技術を持っていて、分かりやすく芸術的と思われる作品を作れる子だけ…。これではこの本の言うところの「花職人」が増えても不...
井上真偽

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた /井上 真偽

ちょっとちょっと、フーリンがかわいすぎん??!!リーシーもシェンも、極悪人なのに人間くさいとこがたまらん。中盤で、フーリンが殺人を企てた、ということが明らかにされてから、どうなるどうなる、と、ハラハラドキドキしながら読みました。今回ウエオロ...
谷山浩子

Amazonで変なもの売ってる /谷山浩子

Kindle unlimitedで「Amazonで変なもの売ってる」なー、と偶然見つけてジャケ読み。不思議な世界で特定の1人にしかつながらない携帯電話を知人の数だけ大量に体にぶら下げて歩く人々、日本版「モモ」か?と思いきやそんな単純なもので...
井上真偽

その可能性はすでに考えた /井上 真偽

久しぶりにキレと説得力とテンポの良いミステリーを読んだ。 普通に徹夜で一気読みしてしまった。 仮説に次ぐ仮説、及びその反証、で話が進むのが面白い。 でもこの本の白眉は「人間に奇蹟が可能なことを、証明したいのだ。」という端から見ると変人奇人でしかない探偵(作者)からの訴えかけだろう。 そして、自分が助からないと分かっていてなお少女を守り、自分が居なくなった後のことまで考えて行動した少年は間違いなく聖者だと思う。(←これも仮説だけれど、真実だったと信じたい。) 血みどろのお話ではあるけれども、最後は心温まる、良書。
矢部太郎

大家さんと僕 /矢部 太郎

最近重い本ばかり読んでたので癒されたくて借りた本。 大家さんのキャラが濃すぎて笑いました。 戦争や離婚や乗り越えて真面目に生きてこられて、それを嘆くでもなく飄々とし、でもお茶目で、こんなかわいいおばあちゃんになりたいなあ。 矢部さんと大家さんの距離感がバグりすぎてて別世界にしか見えないけど、こんなあったかい世界が実在することに救われました。
小野不由美

<ネタバレあり>白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 /小野 不由美

人がバッタバッタと死ぬ!個人的には朽桟が一番悲しかった。そして狼燦の言動が私には理解不能。え、一番の黒幕だと思うんやが…。単なる好奇心で済まされないことやらかしてるんやが…。許されるのん?(怒) この世界は、「天」の壮大な実験場のように感じる。天上人や泰麒の冷徹さ(これは泰麒の気質や経歴も大きいけれど)は、そこから来るものなのかも。「こういう条件の土地で、こういう王様ならいけるかも」「リーダーの素質がある王様でもダメならいっそ残酷な圧政でどうよ」みたいな。実験に使われる側はたまったものじゃないですけどね…
小野不由美

<ネタバレあり>白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 /小野 不由美

やっと事態が動き出した! 阿選が何を思って行動してきたのか、やっと明かされていく。 意外と俗っぽい?ような動機で、でも本人にとってはものすごく辛かったんだなあ…と。 (それで幾多の犠牲者を出しているので擁護できないけれども、心情としては分かる) しかし、希望を見つけたかと思うと落胆、の繰り返し、作者の手のひらで踊らされてるなー。 ところでこの巻、怪我の描写がすごくえげつなく痛々しいので読んでるだけでこっちまで痛くなります。 あと、嬰児の顔の妖鳥ってホラーすぎん?!って思ってたら裏表紙にご丁寧に描いてあって、ギエエエ。
小野不由美

<ネタバレあり>白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 /小野 不由美

初っ端から泰麒はケガさせられちゃうし、事態は膠着、阿選は何考えてるのかぜーんぜん分からないし、へんてこな様子の王宮…モヤモヤ~モヤモヤ~しているうちに、なかなかツラい展開に…。 私はもう次の巻読み進めてるのですが、発売当初、二巻が出てから三巻が出るまで1ヶ月くらいあったように記憶してるので、発売してすぐ読んだ人はけっこうザワザワした心のまま三巻を待機していたのではないかと(苦笑)お疲れさまです。
小野不由美

<ネタバレあり>白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 /小野 不由美

読まないと!決めていたのに!! (シリーズ全部読んできたけど最早記憶の彼方だし、読み返してたら壮絶に時間がかかる。) 図書館で目があってしまったが最後…。 序盤から息を飲む展開。 100ページ読んだだけで最早泣ける。 それにしても、この小説の登場人物(特に李斎)は、何故人のためにここまで行動できるのだろう。 心の中で思いやることはできても、実際に見知らぬ他人(しかも良く思われてない)に、大きなリスクをおかして何かしてあげられる人間は尊い。 事態が進展してるようなしてないようなもやっとした感じ満載で次巻へススム。