2024-08

知念実希人

<ネタバレあり>天久鷹央の推理カルテ /知念 実希人

医療ミステリ入門としては面白かった。連作短編集だけど、1話目と最終話はつながっていて、それが終盤で長編小説的クライマックス感を演出している。最後は鷹央、がんばれ…!と応援したくなる。あえて苦言を呈するなら…悪い意味でのラノベ感の強さと、(お...
似鳥鶏

<ネタバレあり>推理大戦 /似鳥 鶏

してやられたり!まんまと騙されました。ここまで鮮やかにどんでん返されると、もはや爽快。個性強すぎる登場人物たちと一緒に、犯人は誰だろう、と考えながら読み進める手が止まりませんでした。ボグダンの手帳を間違えて受け取った時に(んん?普通の日本人...
真下みこと

あさひは失敗しない /真下 みこと

周りから浮かないように、怒られないように生きてきた自分自身に近いものを感じて、主人公に共感してしまったけれども、何か実体のないフワフワした存在のようにも感じるアンビバレントなこの感情は一体なんだろう。母親の母親も毒親(という括りに入れるには...
青山美智子

ただいま神様当番 /青山 美智子

斜めから物を見がちな私でもうっかりほっこりしてしまったー。小学生でもOLでも、老若男女関係なく、みんなみんな、がんばって生きてるんだ!人間って愛おしい!と思えた。(パワハラする人間はどんな理由があろうとも許せないけど。)少しの勇気が出ない時...
佐藤究

テスカトリポカ /佐藤 究

血のにおいがする本。麻薬密売組織の支配する故郷から命がけで逃げ出したルシア、その子どもコシモ。家族を皆殺しにされた組織のトップ、バルミロ。赤くどす黒くどこまでも追ってくる暴力と貧困の連鎖。古代アステカの神話とテスカトリポカの正体。臓器売買と...
末永幸歩

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 /末永 幸歩

学校の美術の授業は、何を目的にしているのだろう?「自由に描きなさい」と言われるまま、「自由に」描いても、評価されるのは偶々技術を持っていて、分かりやすく芸術的と思われる作品を作れる子だけ…。これではこの本の言うところの「花職人」が増えても不...
井上真偽

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた /井上 真偽

ちょっとちょっと、フーリンがかわいすぎん??!!リーシーもシェンも、極悪人なのに人間くさいとこがたまらん。中盤で、フーリンが殺人を企てた、ということが明らかにされてから、どうなるどうなる、と、ハラハラドキドキしながら読みました。今回ウエオロ...
谷山浩子

Amazonで変なもの売ってる /谷山浩子

Kindle unlimitedで「Amazonで変なもの売ってる」なー、と偶然見つけてジャケ読み。不思議な世界で特定の1人にしかつながらない携帯電話を知人の数だけ大量に体にぶら下げて歩く人々、日本版「モモ」か?と思いきやそんな単純なもので...
井上真偽

その可能性はすでに考えた /井上 真偽

久しぶりにキレと説得力とテンポの良いミステリーを読んだ。普通に徹夜で一気読みしてしまった。仮説に次ぐ仮説、及びその反証、で話が進むのが面白い。でもこの本の白眉は「人間に奇蹟が可能なことを、証明したいのだ。」という端から見ると変人奇人でしかない探偵(作者)からの訴えかけだろう。そして、自分が助からないと分かっていてなお少女を守り、自分が居なくなった後のことまで考えて行動した少年は間違いなく聖者だと思う。(←これも仮説だけれど、真実だったと信じたい。)血みどろのお話ではあるけれども、最後は心温まる、良書。
矢部太郎

大家さんと僕 /矢部 太郎

最近重い本ばかり読んでたので癒されたくて借りた本。大家さんのキャラが濃すぎて笑いました。戦争や離婚や乗り越えて真面目に生きてこられて、それを嘆くでもなく飄々とし、でもお茶目で、こんなかわいいおばあちゃんになりたいなあ。矢部さんと大家さんの距離感がバグりすぎてて別世界にしか見えないけど、こんなあったかい世界が実在することに救われました。