<ネタバレあり>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読み終わって、ほのかな希望を感じた。
それと同時にどうしようもない絶望も感じた。
貴瑚はアンさんに虐待から救い出され、美晴、美音子という友人の支えもある、という温かい世界に辿り着き、社会に出ることができたけれど、現実ではこんなにうまくいかないことも沢山あるだろう。
そして過去のトラウマが完全に消えることはないし、他人との関わり方や距離感がどこか歪になってしまい、新名のような人間との関係を自分で断ち切れない。
52ヘルツのクジラたちが、自分を受け入れてくれる群を見つける前に息絶えてしまいませんように、と心から祈る。