多重解決、特殊設定、と流行りの要素てんこもり。
そしてカルト教団による集団自殺って実際にあった事件なんだ、と戦慄。
序盤から綺麗に伏線が張られ、それを一つ一つ丁寧に回収し、何度もどんでん返しを繰り返し、最後まで手抜かり無くミステリ小説としてきっちり詰めた作品だった。
(主人公、こういう時になぜそんな冷静?)と思うシーンがいくつかあったがそれ以外は文句無しパーフェクト。
信仰は人を支えるためにあるべきだと思うのだが、人間は主観でしか物を見れない弱い生き物で、そこにつけ込む宗教が存在することに強い脱力感を覚える。