最初の方は(ドロドロ不倫系恋愛小説集か…?)ってげんなりして、途中で読むの止めようかな、と思ったが、物語の流れはチョロチョロと流れる小川からいつの間にか嵐の後の濁流に変貌、
そこから抜け出ることができなくなっていた。
息をするように嘘を吐き、その事に全く罪悪感を持たない人間というのはたしかに存在するが、ここまでくると最早ホラー。
終盤はゾクゾクしっぱなしで、自分の世界が両手でグラグラと揺すぶられるような感覚に陥った。
初読み作家さんなので詳しく分からないが、もっと世に知られていい作品と作家だと思う。