2023年のベスト、と宣うのであればそれなりのやつが読めるはず…!
と期待に胸膨らませて手に取った。
んが、初手『ベルを鳴らして(坂崎かおる)』で困惑。
うん?ミステリ?ファンタジーではなく?
とりあえず読み切ったけど全部理解できた気がしませんです、無知でスミマセン。
続く『ディオニソス計画(宮内悠介)』
皆大好きアポロ計画陰謀論、を下敷きにしたミステリ。
短い中に人種、宗教、国、その土地の価値観etc.色んなものがギュッと詰め込まれた密度の高い一作。
『人魚裁判(青崎有吾)』
シリーズもののようなのでそちらを読んでいたらもう少し楽しめたかも。
とは言え特殊設定(生首が人魚の弁護をする)がちゃんと生かされたミステリでした。
『一七歳の目撃(天祢涼)』
弁護士志望の男子高校生・黒山弘明はある日ひったくりの現場を目撃してしまう。
黒山のその後の心の動きの描き方が真に迫っていて、一緒にドキドキしてしまう。
最後はきれいにまとめすぎなのでは。
『夏を刈る(太田愛)』
涸れ井戸から白骨死体が見つかる。
女中だとか園遊会だとか、古き良き時代の雰囲気がたっぷり。
科学的捜査がまだない時代は埋もれてしまった真相がいくつもあったんだろうな。
『消えた花婿(織守きょうや)』
時代ミステリ。
そもそも時代ものにそんなに馴染みがなくて読み進めるのに四苦八苦。
だって名前がさ…おふじ、おれん、おひさ、おまさ、おちか、おゆう…もう誰が誰だか。
ってなるのは私だけではないと信じたい。