窪美澄

窪美澄

夜に星を放つ /窪 美澄

心に穴ぼこを抱えながらもなお生き続ける5人の物語。線香花火、海、蛍(のような何か)、また海と線香花火、そして海。全篇が夏のお話ではないけれど、何故か夏の匂いがする一冊だった。直木賞ってもっとドラマチックな展開が好みかと思っていたけれど、出版...
窪美澄

タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース /窪 美澄

悲しい悲しい物語。親に捨てられた、喘息持ちで体の弱い妹を養うためにデリヘルをする姉。ぜんじろうと名乗るおじいさんに出会い、「団地警備員」になり…。大人の保護者がいれば普通に体験していたであろうことも素通りしてきてしまったがために「友だちの家...
窪美澄

朔が満ちる /窪 美澄

親ガチャという言葉に、産み育ててくれた親に対して不謹慎だ、と眉をひそめる人がいる。だけど、私はむしろ、軽すぎる、と、思う。毒親という言葉も、生ぬるい。暴力は犯罪なのに。死んでしまうかもしれないのに。普通の家庭を取り繕う母親にも吐き気を催す。...