錚々たる作家陣による短編集。
「神様の罠」(←このタイトルだけでだいぶ期待持たせるよね)がなんのことなのか結局分からなかったけど、秀策揃いでした。
「夫の余命」設定は単純なのに一番分かりにくくて面白くなかった。
こんなクズ夫のために自殺しなくてよくないですか。
「崖の下」骨が飛び出るほどの骨折、を想像するだけで貧血になりそう。
故意に刺したにしても刺さってしまったにしても痛いしイヤミス。
「投了図」自粛警察だとか嫌がらせの貼り紙だとか、人間の暗闇の部分と、それと共に、確かに存在する人情や温かい思いの対比が切なかった。
「孤独な容疑者」六編の中で一番印象が薄い…ミステリーとしては完成してるかもだけど、全然知らない土地の新聞の全然興味のない小さい記事を読んでる感じがした。
「推理研vsパズル研」パズル?謎解き?に対する色んな角度からの解読がシンプルに面白かった。
一つの謎かけからここまで話を広げられるのはさすが。
「2020年のロマンス詐欺」コロナで引きこもりを余儀なくされ、詐欺に荷担させられていく学生の心情描写がすごくリアルでドキドキ。
もっと大変な人はいるんだから頑張れ、っていうのはすごい無責任で冷たい言葉だなあ、と思った。