寺地はるな

タイムマシンに乗れないぼくたち /寺地はるな

優しい、沁み沁みな短編7篇。『コードネームは保留』自分は殺し屋、という設定を生きることで他人と違う部分が多い人生を乗り切ろうとする南優香。『タイムマシンに乗れないぼくたち』博物館が逃げ場の草児。フーファ。『口笛』「仕事がある」兄から、姪の幼...
小西マサテル

名探偵のままでいて /小西 マサテル

ほんわか癒された!良い!最近、イヤミスや考えさせられる系エンタメとかばっかり読んでしまって(←自業自得)それはそれで愉しいけれど疲れていたので、久々にほわっとした心持ちになれて大満足。ミステリ苦手な人にも読んでほしい。認知症を患っても安楽椅...
吉田篤弘

十字路の探偵 /吉田篤弘

〈塔ノ下〉の街に住む名探偵・除夜。「あなたが本当に優れた探偵であるなら、誰かが命を落とす前に事件の謎を解くべきではないですか?」(p.16)と問われた彼は、探偵という自分の存在意義に対する矛盾を突かれ、「もう誰も死なせない」と決意するが──...
麻耶雄嵩

さよなら神様 /麻耶 雄嵩

前作『神様ゲーム』に引き続き独特のイヤミスを堪能できた。ラストをどう捉えるかは読者それぞれに委ねられているのだろうけど、私は恐ろしすぎてヴッてなった。小学五年生ってこんなに冷静に論理的思考を繰り広げられるものだったっけと思いつつ時折混ざる年...
秋吉理香子

聖母/秋吉理香子

平和な街で起こった幼稚園児殺害事件。辛い不妊治療の末にやっと子どもを授かった過去のある保奈美は、自分の娘に魔の手が伸びるのでは、と気が気ではない。おぞましく猟奇的な犯人像、はたして真犯人は誰なのか。ミステリではあるがサスペンス感が強い。小さ...
小島美里

あなたはどこで死にたいですか? /小島 美里

Twitterでなんとなく興味を持ってなんとなく読み始めた自分が甘かった…。介護と医療ってそんなにパキッと線を引けるものなのだろうか?分けなきゃいけないのは分かるんやけど。ヨボヨボ年老いて自分のことが自分でできなくなったときに医療の網目にも...
真下みこと

かごいっぱいに詰め込んで/真下みこと

久しぶりに働こうと就職活動を始めた専業主婦・美奈子は、紆余曲折ありながらも「おしゃべりレジ」を導入したスーパーに採用される。そこには色々な人が買い物にやってくる。摂食障害の流花、マッチングアプリで女漁りをする亮、不妊治療に苦しむ咲希、56歳...
斜線堂有紀

君の地球が平らになりますように /斜線堂 有紀

地獄な恋愛小説集。・手が届かない人気者だった壱船が陰謀論にハマったことを利用してパートナーの座を手に入れる小町・地下アイドルの握手は一回三千円、でも彼氏からはサイズの合わない指輪でプロポーズ・彼女がマッチングアプリに登録したことを知っても怒...
金子玲介

死んだ石井の大群/金子玲介

先にネタバレ感想を踏んでしまっていたせいであまり楽しめず…。どんな話?って検索しないで読んだ方がいいやつです。デスゲームと行方不明の舞台役者探しのお話が並行して語られる。デスゲームの緊張感と探偵助手・蜂須賀の脱力感との温度差がすごくて風邪ひ...
小川哲

君のクイズ /小川 哲

生放送TVのクイズ大会決勝戦で、問題文が読み上げられる前に早押しクイズに正解したタレント、本庄。ヤラセか?それともそこに「必然性」はあったのか?謎の解明に乗り出す対戦相手のクイズプレイヤー三島。静かながら沸々と湧き上がるクイズへの情熱に圧倒...