さんず /降田 天

降田天

「ドラマチックに人が死ぬストーリーって売れるじゃないですか」っていうヨルシカの歌をなんとなく思い出した。

自殺幇助業者「さんず」の社長は人が自ら死にゆく様を見物するのが趣味という、社会的には許容されない倒錯した嗜好の持ち主として描かれる。

では、それを好んで読んでいる私たちは?
普段、物語の中で簡単に人が死んでいくのを観賞している私たちは、彼と本質的には同じなのでは?
という、作者のアイロニーを込めた物語である、と捉えるのは考えすぎだろうか?
(まあ作者もけっこう作中で人殺しまくってるしなあ。同じ穴のむじな。)

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