難病の同級生を亡くした過去のある高校教師・卯之原朔也は、今話題のWeb発の恋愛小説が、かつての同級生と自分とだけしか知らないはずの“僕たちだけの物語”であることに気が付く。
困惑しながらも覆面作家ルリツグミの正体を独りさぐるが、なんと張本人が転校してくる。
余命ものの恋愛小説(を読んで勝手に泣いて気持ちよくなる消費者)に物申す姿勢は良いと思う。
(いいぞもっとやれ。←小声)
でも、友だち以上恋人未満の同級生に先立たれた卯之原に承諾を得ずに勝手にモデルにして小説書籍化して、「きっと仲良くしてくれるはず!」って思える神経が分からん。
っていう部分がひっかかって、最後まで楽しめなかった。
ミステリとそうじゃない部分(青春とか人生の不条理さとか世の中のクソさとか)が両方入ってるのが持ち味だとは思うけど、個人的にはもっとミステリに振って欲しかった。