第64回メフィスト賞満場一致は伊達じゃない。
誰より賢いゴリラ、ローズはある日、「人間の子どもを助けるため」という理由で夫のゴリラを射殺される。
人間と他の動物の違いとは?という深く重い問いがテーマにも関わらず、とても読みやすく一気に読めた。
法廷で最後に語られた「たとえ私がゴリラでも、私は人間である。」というローズの言葉がこの物語を象徴している。
そしてこれはローズという繊細で強い少女が、自分が何者なのかに悩み、傷つき、成長していく物語で
もある。
そこに自分を重ね、勇気づけられる読者は多いだろう。
おススメの一冊。