2029年を起点に10年刻みに遡るある家族の歴史。
それぞれの年で物語を語るキャラの視点が入れ替わり、それぞれの秘密が明らかにされたりされないままふんわり終わったり、あるいは終わらなかったり。
50年前と比べてジェンダーに関する問題は改善されてきているような、表面だけのような。
女王様のようなあの子と、それに隷属しているように見えるあの子、本当に強いのは、一体どっち──?
弱く見える人が実は強い、そういうゾクゾクするような人間関係の描き方が秀逸でした。
2023年上半期第5回ほんタメ文学賞あかりん部門大賞受賞作。
