ミシンと金魚 /永井 みみ

永井みみ

一年と少し前に死んだ、可愛がってくれた祖母を思い出して、少し泣いた。
祖母は最後まで痴呆にもならず、腰は曲がっていたけれど、自分の身の回りのことは自分でして、明るくて、大好きだった。
祖母の「お迎え」はどんなだったろう。
きちんと誰か迎えにきてくれただろうか。
きれいな花は見れただろうか。

筆者はケアマネージャーさんとのこと。
押しつぶされるようなリアリティで息ができなくなりそうだった。
暴力、貧困、死、決して人からは幸福には見えなくても、彼女は幸せの記憶の欠片を思い出せた。
それは人間としての本当の強さと尊さだと思う。

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