事件は終わった /降田 天

降田天

まだ頭がグルグルしている。

人間には想像力という強い武器がある。
でも、使い方を間違えると、自分や他人を傷つけてしまう。
想像力は両刃の剣だ。そのことを忘れないように、と自分に釘を刺した。

地下鉄で起きた刺殺事件のその後を描いた連作短編集。
犯人から妊婦をかばって犠牲になった老人は本当に「英雄」だったのか。
事件のトラウマに苦しむひとたち。
正義感からやったことが逆に他人を傷つけてしまう。
その逆のことだってある。
自分を苦しめているのは自分。
そのことに気がつけるかどうかも自分次第。
似鳥の描いた壁画を見てみたい、と思った。

にほんブログ村 本ブログへ
タイトルとURLをコピーしました