ガラスの海を渡る舟 /寺地 はるな

寺地はるな

発達障害の兄・道だけではなく、その妹・羽衣子の苦しさにもスポットが当たっているのが良かった。

「人と違う」兄弟を持つと、親からは「普通にできて当たり前」と褒められずに育ってしまう。

そして「人と違う」兄を、何故か「普通にできる」妹がフォローすることを期待され、いつしかそれが当たり前のように思われてしまう。

それがどれだけ自尊心を削ることか。

羽衣子は妹だからまだマシだったかも(姉だと確実にお世話係を押し付けられるパターン)。

平易な文章なのに大事なことを教えられ、普段無自覚なバイアスに気付かされる、秀逸な物語でした

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