辻村深月

噓つきジェンガ /辻村深月

詐欺がテーマの3篇。月並みですが、「自分は巻き込まれない」と思わないようにしよう、と強く強く思いました…コワイよう…。2020年のロマンス詐欺:『神様の罠』で既読。(なんか損した気分。)五年目の受験詐欺:もし「あの時」に戻れてもまた払ってし...
似鳥鶏

名探偵外来 泌尿器科医の事件簿/似鳥 鶏

タイトルと表紙から受ける印象を遥かに上回る面白さ!読むべし!一回もお世話になったことがないので、何で泌尿器科?って思ったけど、こういう科もあるんだ…と、勉強になりました。生理痛なんて甘えだ、などと言われる度に(男は生理なくていいよな怒)と思...
内館牧子

老害の人 /内館 牧子

玩具製作販売会社元社長・戸川福太郎は娘婿に跡を継がせてからも謎の肩書きをこしらえて会社に居座り、社員を捕まえては自慢話を延々と垂れ流す。ある時遂に娘がブチ切れる。…から始まる老害小説(そんなジャンルはない。)。突っ込み所も多いがクスッと笑わ...
トム・ミード

死と奇術師 /トム・ミード

1936年のロンドンでの精神科医密室殺害事件。容疑者はその患者たち。翻弄される探偵の元奇術師・スペクターが良い味出してる。解決編手前まではその時代やイギリスの空気感を堪能しつつ~わくわく♪楽しめた。装丁も好み!けど、解決編が袋綴じなだけにす...
SCRAP

ふたご島からの脱出 /SCRAP

脱出ゲームブックvol.2ということで、謎解きをしながら物語を進めていくタイプの本。謎解きは正直拍子抜けするくらい簡単なのばっかり。ただ、やっぱり(?)ラストの問題だけ難易度が突然爆上がり。まあよくこんなの考えるなあ、と感心してしまうー。v...
小野寺史宜

ひと /小野寺史宜

終始色んな意味で泣きそうになりながら読了。17歳で父を、20歳で母を亡くし、大学を退学した聖輔。一円単位で生活を切り詰める中、1つのコロッケを譲った所から光が見えてくる。聖輔がお人好し過ぎて心配になったし、騙したりたかったりバカにしてくる奴...
アンソロジー

NOVA 2023年夏号 /アンソロジー

女性作家のみによるSFアンソロジー。普段SFを読まないけれど芦沢央斜線堂有紀新川帆立に惹かれて。ヒュブリスの船が予想以上に凄かった。個人的MVPは新川帆立さんのリーガルSF。でもこれはSFなのかな?普通に日本の法律が許せばありそうなお話。多...
窪美澄

夜に星を放つ /窪 美澄

心に穴ぼこを抱えながらもなお生き続ける5人の物語。線香花火、海、蛍(のような何か)、また海と線香花火、そして海。全篇が夏のお話ではないけれど、何故か夏の匂いがする一冊だった。直木賞ってもっとドラマチックな展開が好みかと思っていたけれど、出版...
宮島未奈

成瀬は天下を取りにいく /宮島未奈

成瀬、最初はただただ強いヒーローみたいな女の子なのかな、と思いつつ読み進める。ページが進むにつれ色んな成瀬が見えてくる。意外と涙もろかったり、我が道を行き過ぎて友だちの気持ちが読めなかったり、それで落ち込んだり、落ち込んでる自分に気が付かな...
伴名練

なめらかな世界と、その敵 /伴名 練

初読み作家さん。初手の表題作の世界観に若干着いていけなくなりそうになったが、読み進めていくうちに段々慣れてきてラストの友情の篤さにホロッとさせられた。6篇の中であえて選ぶなら「美亜羽へ贈る拳銃」がめちゃ惹きつけられて、最後よく分からん話の放...