村山由佳

ある愛の寓話 /村山 由佳

ぬいぐるみ、猫、籐のかご…。愛するものが人間でも動物でも無機物でも、そこには確かにあたたかい温もりがある。毛布に包まれるような、安らいだ気持ちで本を閉じた。「グレイ・レディ」のポテサラエピソード、(おお、ここでこういう風にぶっこんでくるか(...
桃野雑派

星くずの殺人 /桃野 雑派

宇宙旅行で首吊り死体が見つかる。自殺?他殺?誰が?どうやって?何のために?設定はすごく面白いと思ったんだけど、わたしの想像力では物語に入り込めず…。氷河期世代の人間がバイトや派遣を経て宇宙に飛び出すベンチャー企業でパイロットって現実では無理...
河野裕

彗星を追うヴァンパイア /河野裕

科学とファンタジー、混ぜるな危険って反射的に思っちゃったんだけど、良かった。ただ、ヤングアダルト?ラノベ?か何かそういう匂いがちょっと気になった。それがなければもっとのめり込んで読めたかも。時は17世紀イングランド、科学特に数学を愛する青年...
凪良ゆう

汝、星のごとく /凪良 ゆう

子どもみたいな親のもとに生まれたこと(特に櫂の母親は最後までヤバい)、小さすぎて他人の噂話くらいしか娯楽のない島に住んでいることを除けば、どこにでもいそうな高校生2人を描いた恋愛小説。花火よりお互いを見つめていたい、そんな眩しい季節も束の間...
高瀬隼子

〈ネタバレあり〉新しい恋愛 /高瀬隼子

高瀬さんが「恋愛」を書くとこんな風になるんだなー、と興味深く読了。こんなに賛否ありそうな、というか共感・非共感分かれそうな恋愛小説集ってないのでは。5つの短編が入っているけれど、正直なところ、(あー分かる、分かる、)ってなったの3編、ちょっ...
大谷朝子

がらんどう /大谷 朝子

38歳独身女性平井は40歳独身女性菅沼とルームシェアを始める。ある日、2人が推しているアイドルグループのうちの1人が電撃婚を発表した時に、バタフライ効果のように危うい均衡が崩れ始める。(もはやそれが発端と断言することもできないが。)菅沼の副...
金原ひとみ

ナチュラルボーンチキン /金原ひとみ

オーディブル先行に納得。どっちにしようか迷ってるならオーディブルで。っていうくらい、言葉のリズムがすごい。けど単行本でも十分たのしめた。労務課ルーティン女×型破り編集者にモッシュする系バンドマンの化学反応。肉野菜炒めにパックご飯を夕飯にする...
菊池亜希子

おなかのおと /菊池 亜希子

この方の書く文章と絵(表紙もかわいい!)がたまらなくツボで、数年前「みちくさ」を友だちにすすめまくってウザがられていた。(そして気がついたら借りパクされていた。もう一回買おうかしら…)ふるさとでの思い出の味、上京して独り奮闘するご飯、妊娠し...
小松立人

そして誰もいなくなるのか /小松立人

ミステリ作家志望の小松立人は、大学時代、知人同士の4人でこっそりタンス預金を盗む。誰にも気が付かれないまま10年が過ぎ、埋めておいた金を掘り起こそう、と集まるが、道中、崖崩れに巻き込まれて全員絶命。…の、はずが、死神から一週間の猶予を与えら...
アンソロジー

黒猫を飼い始めた /アンソロジー

「黒猫を飼い始めた」の一行から始まるショートショート集。二行目からは各作家さんの想像力と個性が爆発。猫、それも黒猫ということで、少しミステリーだったりホラーチックだったりする話が多かった。(ただ、『黒』猫じゃなくてもいいんじゃない?っていう...