科学とファンタジー、混ぜるな危険って反射的に思っちゃったんだけど、良かった。
ただ、ヤングアダルト?ラノベ?か何かそういう匂いがちょっと気になった。
それがなければもっとのめり込んで読めたかも。
時は17世紀イングランド、科学特に数学を愛する青年オスカーは、意に添わぬ形で戦場に送り込まれる。
何故か野営地に現れた見知らぬ男、アズ・テイルズに謎の力で命を救われたオスカーは、未知の存在であるアズを解き明かそうとする。
政治にプロテスタントとカトリックの攻防が大きく絡み、その影響が学問の世界にまで及ぶことの重大さに気が付いた人間はどれだけいたのか。
病気は瀉血で治すとか、魔女や錬金術がまだ信じられていて、それが科学へとシフトしていく最中の時代。
真っ当な主義主張をしても世間から変人扱いされ世に出ることなく消えていった天才秀才も多かったんだろうなー、と思う。
と同時に、それって今の時代ももしかしたら変わらんのかも、だとしたら怖いな、とも思う。
学問、政治、戦争、と重いテーマが多いにも関わらず、ラストはどこかスッと凪いだ気持ちで読み終えた。