鍵のない夢を見る /辻村 深月

辻村深月

皆真っ当に生きようとして、恥ずかしい思いをしたり、後悔したり、道を間違えたり。
読んだ後「人間だもの。」(みつを)って呟いてしまう。

どの短編も舌にいつまでも苦味が残るような、鍵のない夢を見たような後味の悪さがこの本の持ち味だろうか。

りっちゃんの感情や、バックドラフトさん側から笙子はどういう風に見えるのか、栄美は美衣からのサイン帳をどう受け取ったのか、どうやったら雄大みたいな人間ができあがるのか、理彩の話を聞いてるのか聞いてないのかよく分からない良枝。

主人公じゃない側の人間の視点も見てみたい、と思った。

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