2024-09

彩瀬まる

骨を彩る /彩瀬 まる

若くして妻を亡くした津村、夫とその不倫相手に開き直られた光恵、両親の離婚後父親を待ち続ける玲子、童貞を気にしていないふりをする浩太郎、幼くして母を亡くした小春。彩瀬さんらしい群像劇。離婚してから千代紙細工ばかりやってしまう光恵の正気と狂気の...
町田そのこ

宙ごはん /町田 そのこ

私事ですが、その昔、色々積み重なってやせ細っていた時期が一時ありました。そんな時、「生きるは食べる、食べるは生きる、だよ。」と私の両肩をガッシとつかみ、他人なのに温かいご飯を作ってくれたり、お惣菜を分けてくれたりした友人を思い出して泣きまし...
辻村深月

傲慢と善良 /辻村深月

読んでて頭がクラクラ~💫そしてイライラ~💢陽子は過干渉が過ぎるし小野里は悟り開いてるし架は鈍すぎる!ストーカーにたどり着けないまま物語は後半へ、美奈子と梓が最低過ぎて(なんでこんなんと親友やねん!)と本をぶん投げたくなった。しかし一番のぶっ...
坂木司

うまいダッツ /坂木 司

高校の喫茶部の仲良しおやつ部4人組が日常の謎を解きあかす。ポテチ片手にサクサク読みたい一冊。クスッと笑える所も多々あり、良くも悪くも軽い。(←褒めてますよ。)緻密で重厚なミステリが読みたい人には物足りないかもしれないけれど、ふわっとさくっと...
似鳥鶏

小説の小説 /似鳥 鶏

前書きから「この短編集はメタ・フィクションですよー(^_^)」という読者に対する優しさ…に見せかけた挑戦状が叩きつけられる。『叙述トリック短編集』を彷彿させるこの作家さんのこの手口、嫌いじゃないです。毎行毎頁、そう来たか!と驚かされたり、ニ...
伊坂幸太郎

逆ソクラテス /伊坂 幸太郎

「ぼくは、そうは、思わない」と口に出して言える人間が果たして幸せかどうかは永久に分からない(口に出して言った安斎のその後の姿は暗くぼかされている)。でも、自分や友だちが理不尽に傷つけられた時、そう言える心の強さの土台を作るのは大人の役目だ。...
岩下悠子

漣の王国 /岩下 悠子

連作ミステリ。水泳選手として恵まれた肉体を持ちながら努力せず、享楽的なのにも関わらず、男女問わず慕われていた綾部は何故自殺したのか。第一話の猫堂のノリについてゆけず脱落しかけたが諦めずに読んだ。それぞれの信じる宗教、それぞれのジハード。思い...
安壇美緒

ラブカは静かに弓を持つ /安壇 美緒

チェロみたいな物語だった。人の声の音域に近く、耳によく馴染む。体に染み渡ってくる音楽を聞いているような感覚が心地よかった。中学生の頃、唯一の心の拠り所だったチェロ。その教室帰り、誘拐未遂に遭った橘は人との間に分厚い透明な壁を築くことで自分を...
新川帆立

倒産続きの彼女 /新川 帆立

ぶりっ子キャラを演じて男を手玉に取る女弁護士・美馬玉子が「転職するたびに必ず企業が倒産する」女性の謎に挑む。粗筋だけでもう面白いの確定。お金より命の方が大事!っていう、当たり前の事を、人間追い詰められると忘れちゃうんだろうな…。と、ゾッとさ...
森バジル

なんで死体がスタジオに!? /森 バジル

なんでか死体がスタジオに置いておかれちゃうお話。ドジなプロデューサー・幸良は本番直前に、出演予定だった大御所俳優の死体をスタジオで見つけてしまう。なかなか趣味の悪い(と私は思う。)生放送番組「ゴシップ人狼」をやりおおせる事はできるのか?ドタ...